2023.5.1
- 開催報告
シンポジウム|交通事故の法的責任の調査・捜査はどう変わるか(12/20開催)資料付
令和4年12月20日(火)、地域を次世代につなぐマイモビリティ共創拠点は、「自動運転車の事故の法的責任に関するシンポジウム~交通事故の法的責任の調査・捜査はどう変わるか~」をウェビナー形式で開催しました。
資料
本シンポジウムは2部構成で開催しました。
第1部では、交通事故の調査・捜査の際に活用されているドライブレコーダーやEDRといった車載機器について、その役割や関連する法整備の状況について紹介しました。
まず、岩月 泰頼客員准教授(名古屋大学 未来社会創造機構/松田綜合法律事務所/弁護士)が、実際の交通事故の調査・捜査で車載データが活用された事例を紹介し、各種データ関連の車載機器についてその役割や関連する法整備の状況、現状の課題について紹介しました。
続いて、BOSCH株式会社の里 廉太郎氏(アフターマーケット事業部 テクニカルサービス&サポート部 部長/CDRアナリスト認定マスタートレーナー)より、イベントデータレコーダー(EDR)を用いた事故再現手法のほか、運転支援システムや自動運転機能などの普及を見据えた今後の展望についてお話しいただきました。
第2部では、将来的な問題として、自動運転車による事故が発生した場合の法的責任の調査・捜査について、自動運転車の公道実証実験中の事故の事例研究などから得られた知見や課題について紹介した上で、刑事実務上の課題について検討しました。
公道実証実験中の事故に関する事例研究について、公益財団法人 交通事故総合分析センターの岩田 剛和氏(常務理事・調査部部長・自動運転グループ長)よりお話しいただきました。交通事故総合分析センターは、2020年度に警察庁と国土交通省とが連携し設置した「自動運転車事故調査委員会」の事務局を担っており、現地調査やヒアリングなどを行っています。今回は報道発表などで公開された資料に基づき、国内の事故事例における事故要因とその対策内容を紹介した後、自動運転車による事故の調査・分析上の課題についてお話しいただきました。
最後に、中川 由賀客員教授(名古屋大学 未来社会創造機構/中京大学 法学部 教授/弁護士)より、自動運転車による事故の事例分析を通し、今後の刑事実務的な課題について検討した結果をお話ししました。まず、交通事故における民事責任と刑事責任の違いについて説明した後、自動運転車が人身事故を起こした場合を想定し、誰がどのような刑事責任に問われるかを検討しました。その上で、今後の刑事実務的課題についてお話ししました。
- 日 時
令和4年12月20日(火) 10:00~12:00(120分)
- 参加方法
Zoomウェビナー(参加費無料)
- 主 催
地域を次世代につなぐマイモビリティ共創拠点
名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所
中京大学 法務研究所
- 後 援
松田綜合法律事務所